中小企業の経営改善に強い財務参謀│安田順

中小企業の経営改善に強い財務参謀│安田順

【対応地域】 全国(特に、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、茨城県、栃木県)

経理に依存し過ぎるとどうなるか

1.試算表が出てこない会社

社長「安田さんが関わった会社で、経理がうまくいかなかったケースはありますか?」

安田「ありますよ。事業再生に取り組む年商10億円の会社で、経理担当者に試算表の提出をお願いしたときのことです。」

社長「どうなったんですか?」

安田「ベテランの経理担当者から、『試算表は作っていません。経理は実質、私一人でして、作る時間がとれないのです』と言われました。」

社長「年商10億の会社が試算表を作っていない?」

安田「中小企業では、なきにしもあらずです。しかし、これから再生を目指す会社が試算表を作っていないのでは話になりません。」

2.経理担当者に主導権を握られる

安田「私が『手伝うので早めにお願いします』と頼むと、その方は『持病があって、あまり無理ができない』とおっしゃる。」

社長「それは困りますね。」

安田「さらに、『後任を入れるよう社長に言ってほしい。私はいつ辞めても構わない』と。」

社長「辞められたら大変じゃないですか。」

安田「まさにそこなんです。この会社は、数字や銀行対応をすべてその経理担当者に任せきりで、社長は何も分からないという状態でした。」

安田「今辞められると困るので、社長も私も強いことが言えない。逆に、こちらが脅されるような形になってしまいました。」

3.なぜこうなってしまうのか

社長「その経理担当者は優秀な方だったんですか?」

安田「はい。成長期には社長を支え、会社を引っ張っていた方だそうです。しかし、いろいろな行き違いがあって、社長との関係は冷め切っていました。」

社長「後任は採用しなかったんですか?」

安田「社長の話では、これまで後任候補を何人も採用してきたそうです。でも、全員つぶされてしまったと。」

社長「それは厳しい。」

安田「幸いなことに、その後『他の社員を路頭に迷わせるわけにはいかない』と体を張って頑張ってくれました。結果的には助かったんです。」

4.経理の「見える化」が必要

社長「でも、結果オーライですよね。根本的な解決にはなっていない。」

安田「その通りです。この会社のように、経理を一人の担当者に頼りすぎている会社は要注意です。」

社長「具体的にはどうすればいいですか?」

安田「経理業務をできるだけ『見える化』することです。業務の手順を文書化し、担当者が辞めても困らないようにしておく。」

安田「そして、社長自身が数字を把握できる状態を作ることが大事です。経理任せにしていると、試算表がいつまでも出てこなくても気づかない。銀行対応も後手に回る。そういうリスクを抱えることになります。」

社長「経理に任せるのと、経理に依存するのは違うということですね。」

安田「まさにそうです。任せるのはいいんです。でも、社長が中身を把握していなければ、それは依存です。経理担当者がいなくなった途端に、会社の数字が分からなくなる。そうならないための備えは、平時にしておくべきです。」

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