中小企業の経営改善に強い財務参謀│安田順

中小企業の経営改善に強い財務参謀│安田順

【対応地域】 全国(特に、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、茨城県、栃木県)

決算書の不安を解消し、銀行と正常な関係を築く

「決算書に載っている数字と、会社の実態が合っていない。でも、どうすればいいか分からない——。」

もし、そうお感じなら、このページを最後までお読みください。

粉飾に手を染めた社長の多くは、銀行からカネをだまし取ろうとした悪人ではありません。

資金繰りの行き詰まりや、融資を断られることへの恐怖から、一線を越えてしまっている。真面目に商売に取り組む、普通の社長です。

「今回だけ」「一度きり」と自分に言い聞かせながら、在庫の数字を書き換えてしまう。受験を控えた子供がいる。仕入先への支払いが滞ったら、もう商売を続けられない。追い詰められた末の判断ミスです。

しかし、一度手を出すと抜け出せなくなるのが粉飾の怖さです。やめれば前の年にごまかした分だけ業績が急落する。それを避けるために翌年も、その翌年も続けざるを得なくなります。

正しい知識と、支えてくれる存在があれば、ほとんどの社長は粉飾から抜け出せます。

当事務所では、決算書の問題点を整理し、銀行との関係を壊さずに正常化を進めるお手伝いをしています。

1.決算書の問題を放置すると、何が起きるか

社長「在庫の中に、もう売れない商品がかなりあるんです。でも処理すると赤字になるので、そのまま帳簿に載せています。」

安田「その在庫、帳簿上はいくらですか?」

社長「5,000万円くらいです。」

安田「実際の価値は?」

社長「正直なところ、ほぼゼロです。」

安田「それは大きいですね。つまり、御社のB/Sには5,000万円の”実態のない資産”が載っている。ここで考えてほしいのは、在庫に5,000万円の資金を使っているということは、その分だけ借入金が多くなっているということです。」

社長「借入金と関係あるんですか?」

安田「大いにあります。同業他社と比べて在庫が倍なら、その差額を借入金で賄っていることになる。つまり、実態のない在庫のせいでムダな借金を抱えている状態です。銀行はそこを見ています。」

社長「気づかれていないと思っていましたが…。」

安田「銀行は決算書を何年分も並べて見ています。棚卸資産回転期間が年々伸びていれば、”おかしいな”とは感じている。面と向かって指摘してこないだけです。銀行の内部では、実態ベースで既に減額評価されていますよ。」

【解説】

不良資産を帳簿に載せたままにしておくことには、2つのデメリットがあります。

1つは、過大な資産が借入金を膨らませ、過剰債務に陥ることです。銀行が重視する債務償還年数などの指標が悪化し、融資条件も厳しくなります。

もう1つは、いまも利益をかさ上げする処理を続けている場合、実力以上の税金を払い続けることです。本来は赤字なのに黒字の決算書で申告すれば、法人税・事業税の負担が余計にかかります。粉飾をやめれば、この無駄な税負担は止まります。

2.処理すると、銀行の評価は下がるのか?

社長「不良在庫を処理すると赤字決算になりますよね。銀行が融資を引き揚げるんじゃないかと心配で…。」

安田「その心配こそが、処理を先送りさせる最大の原因です。ただ、銀行は実態B/Sで御社を評価しています。不良在庫5,000万円は、銀行の内部では既に減額されている。だから処理しても、銀行の評価は基本的に変わりません。」

社長「では、すぐに処理すればいいんですか?」

安田「そう単純ではありません。処理のタイミングを間違えると、逆に危険です。」

社長「どういうことですか?」

安田「不良資産を処理すれば、その分だけ純資産が減ります。処理額が大きいと、純資産がマイナス、つまり債務超過に転落する可能性がある。債務超過になれば、銀行の対応は一気に厳しくなります。」

社長「それは困ります。」

安田「だから、業績が安定しているタイミングで処理する必要があります。本業がしっかり利益を出していて、処理後も債務超過にならない状態を見極めてから踏み切る。自己資本の余力、銀行との関係、処理額のバランス——これらを総合的に判断しなければなりません。」

社長「自分では判断がつきません。」

安田「正直なところ、これは素人には難しい判断です。銀行がどこまで許容するか、どの順番で説明すべきか、処理額をどう設定するか。銀行の考え方を分かっている人間が設計しないと、せっかく前向きに動いたのに裏目に出る、ということが起こります。」

【解説】

不良資産の処理は「やるかやらないか」だけの問題ではありません。いつ、いくら、どの順番でやるかという設計が必要です。

処理にあたって考慮すべきことは多岐にわたります。

・処理後に債務超過に転落しないか(自己資本への影響)
・本業の収益力は安定しているか(経常利益が黒字であること)
・メインバンクとの関係は良好か(事前相談が受け入れられる状態か)
・処理額が大きすぎる場合、数期に分けるべきか
・他の金融機関への説明をどうするか

銀行への説明では、次の3点を伝えます。

・B/Sを正常化するため、あえて特別損失を計上した
・経常利益は黒字であり、本業の収益力には問題がない
・メインバンクに事前に相談済みである

ただし、この段取りを正しく踏むには、銀行の内部でどういう判断が行われるかを知っている必要があります。タイミングと設計を誤れば、前向きな行動がかえって信用を損なう結果になりかねません。

3.営業キャッシュフローが赤字なら、いずれ融資は止まる

社長「P/Lは一応黒字なのですが、おカネが回らないんです。」

安田「P/Lが黒字でも、営業キャッシュフローが赤字なら、金融機関の評価は厳しくなります。」

社長「営業キャッシュフローとは?」

安田「本業で稼いだおカネの流れです。P/Lの利益が出ていても、在庫や売掛金が膨らんでいると、営業キャッシュフローはマイナスになります。銀行はここを見ています。特に、2期連続、3期連続でマイナスが続けば、”実態は赤字”と判断します。」

社長「そうなると融資はどうなりますか。」

安田「最終的には融資が受けられなくなります。だからこそ、P/Lの利益だけを取り繕っても意味がないのです。営業キャッシュフローを改善するには、実態のない資産を整理して、決算書を実態に合わせるしかありません。」

【解説】

銀行は近年、P/Lの利益だけでなく、営業キャッシュフロー(営業CF)を重視するようになっています。

利益をかさ上げしても、在庫や売掛金が膨らんでいれば営業CFはマイナスになります。ここに実態が表れるからです。

営業CFの赤字が続くと、銀行は融資姿勢を厳しくします。逆に言えば、不良資産を処理してB/Sを正常化すれば、営業CFも改善に向かいます。

決算書を実態に合わせることが、融資を安定させる最善の方法なのです。

4.なぜ、いま正常化に動くべきなのか

社長「もう少し様子を見てからでもいいのでは?」

安田「2つの理由から、先送りはお勧めしません。」

社長「何ですか?」

安田「1つ目は、AIを使った粉飾分析を導入する銀行が増えていることです。決算書のデータを自動的にスコアリングして、異常値を検知する仕組みです。人間の担当者なら見逃してくれたものが、AIは見逃しません。」

社長「バレるということですか。」

安田「そういうことです。発覚のリスクは年々高まっています。自分から正常化に動くのと、銀行に指摘されてから動くのでは、立場がまったく違います。」

社長「もう1つは?」

安田「経営者保証です。いま、金融機関は経営者保証を外す方向に動いています。しかし、B/Sが実態と合っていない会社は、保証を外してもらえません。銀行から見れば、決算書が信用できない先の保証を外すわけにはいかないからです。」

社長「保証を外してもらうには…。」

安田「B/Sを正常化して、信頼できる決算書にする。それが前提条件です。将来、保証なしで融資を受けたいなら、いま動くべきです。」

【解説】

決算書の正常化を先送りするリスクは、年々大きくなっています。

AIによる粉飾検知の普及。 銀行が導入するスコアリングモデルは、過去の決算データから異常値を自動検出します。棚卸資産回転期間の不自然な推移、売上と営業CFの乖離など、人間が見落とすパターンもAIは拾います。

経営者保証解除の流れ。 金融庁の方針もあり、経営者保証を外す動きが加速しています。しかし、保証解除の前提は「決算書の信頼性」です。不良資産を抱えたままのB/Sでは、この条件を満たせません。

先送りするほど不利になる。逆に、自ら正常化に動けば、銀行からの信頼はむしろ高まります。

5.誰に相談すればいいのか

社長「まずは顧問税理士に相談すべきでしょうか。」

安田「会計処理の実務は税理士の領域ですから、最終的には連携が必要です。不良資産の処理が税務上の損金になるかどうかはケースバイケースで、処理方法によって法人税の負担が変わります。この判断は税理士に任せるべきです。ただ、正直に申し上げると、税理士に相談しても”どのタイミングで、どう銀行に説明するか”という答えは出てこないと思います。」

社長「なぜですか?」

安田「税理士の専門は税務です。銀行がどういう基準で融資判断をしているか、決算書のどこを見て格付けを決めているか、いつ説明すれば受け入れられるか——これは税理士の守備範囲ではありません。」

社長「では、誰が設計するんですか。」

安田「銀行の内側を知っている人間です。銀行対応の設計と、税理士による会計・税務の実務。この2つがかみ合わないと、正常化はうまくいきません。」

まずは、現状を整理するところから

決算書の正常化は、大がかりな話に聞こえるかもしれません。

しかし、最初の一歩は「いまの決算書と実態がどれだけ離れているか」を把握することです。

当事務所では、初回のご相談で以下の点を整理します。

・決算書の問題点と金額の確認
・実態ベースの財務状況の把握
・処理した場合の自己資本比率・資金繰りへの影響
・銀行への説明方法とタイミングの見通し

ご相談の内容は厳守いたします。

一人で悩んでいる時間が長いほど、問題は大きくなります。
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