銀行に「悪い話」をどう伝えるか
会社が銀行に報告する内容には、「いい話」と「悪い話」があります。
いい話とは、「商品が売れている」「得意先が増えた」「有望な市場が見つかった」など、前向きで景気のいい話です。
いい話は、遠慮せず、銀行にどんどん話すべきです。
銀行員は「社長のやる気」に感化されます。
だから、社長が銀行員の前で元気のいい話をすることはとても大事なことです。
銀行員には自慢話をするくらいのつもりでちょうどいいと思ってください。
営業畑出身で饒舌な社長の中には、銀行員を味方につけるのが非常にうまい人がいます。
必ずしもロジカルではないけれど、話し方に熱がある。警戒心の強い銀行員も、結局は、そういう熱い社長に惹きつけられます。
一方、銀行員は調子のいいことばかり言っている社長を信用しないので、悪い方の話もしておく必要があります。
悪い話とは、「売上が落ち込んでいる」とか「赤字になりそう」といった話です。
悪い話を銀行にどう伝えるかということは、“自分が貸し手の立場だったらどう思うか”を考えてみると分かります。
あなたが1億貸している社長から「主要販売先からの受注がゼロになるかもしれない・・・」と打ち明けられたら、焦りますよね。
一刻も早くおカネを返してもらいたいと考えるはずです。
銀行もまったく同じです。
だから、そんな話をポロリとでも口にしてはいけないのです。
銀行に報告するのは、一定の解決策を準備してからです。
たとえば、「今期は売上が大幅に減るが、来期は~~によって回復できる」という話になっていれば、相手も落ち着いて話を聞いてくれます。
このように、悪い話には解決策がセットになっていることが必要です。
「問題はあるが解決できる」が銀行説明の基本なのです。