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過剰債務から抜け出すには営業利益率5%以上が必要

東京商工リサーチの調査によると、現在、中小企業の約35%が自社の状況を「過剰債務」と認識しているそうです。

金融円滑化法以降の中小企業の過剰債務は、BSの問題というよりPLの問題です。

長年、過剰債務から抜け出せない会社を分析してみると、次の悪循環に陥っていることが分かります。

売上が下がる→借金が多い→支払利息(含、保証料)が多い→利益が少ない→借金が減らない

具体例をあげます。A社はリーマンショックで業績が悪化した際、銀行返済をリスケして、その後、10年以上にわたってリスケを続けている会社です。

<A社のPL>
売上高 6億円
営業利益 2,000万円
支払利息 1,700万円
経常利益 300万円

支払利息が営業利益の大半を吹き飛ばしています。支払利息の負担が重い会社は、最後に残る利益が少ないので、借金を減らせません。10年以上リスケから抜け出せないのも、PLで利益がでにくくなっているからです。

A社の社長は次のように言っています。
「なんとか営業利益をあげているが、借入返済に回す資金が残らない。この10年、借金はほとんど減らなかった。社員の賞与もほとんど払えていない」

A社のような会社は珍しくありません。たとえば、いま私の手元には約100社の決算データがありますが、うち10~15社はこれに近い状況です。

この悪いパターンを回避する上でマークすべき指標は、売上高支払利息率(支払利息÷売上高×100)です。

McSS(中小企業経営診断システム)を提供するCRDビジネスサポート㈱のレポート「業種別に見た中小企業の状況(2021年2月版)」は、

売上高支払利息率が1%(小売業、卸売業は0.7%)を超えると要警戒

としています。

私がみるところでは、売上高支払利息率が1.5%以上の会社は、ほとんどの場合、過剰債務に陥っています。A社のように2.8%に達していると財務スコアはデフォルト(債務不履行)企業以下に判定されます。

自社の売上高支払利息率が1%(小売、卸売は0.7%)を超えていないかチェックしてみてください。

実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)を借りた会社は、3年間の無利子期間が過ぎると、利息(年利2%程度)の支払いがはじまります。

コロナなどの外的ショックで売上を大きく下げ、そこから回復できない会社は、相対的に利息の負担が重くなってくると私はにらんでいます。

売上高支払利息率1%の状況は、次の状況と同等です。

・年商に匹敵する借入金を年利1%で借りている
・年商の半分の借入金を年利2%で借りている

一般に、適正な借入金の上限は「年商の半分」までです。借入金が年商の半分を超えるのは「借金が多い会社」であり、年商に達すると明らかに「過剰債務の会社」です。一方、中小企業の借入金利は0.5~2%程度である場合が多いです。

このようにみると、売上高支払利息1%が警戒を要する数値であることが分かるでしょう。

続いて、自社の営業利益率をチェックしてみてください。

営業利益率が5%以上の会社なら、売上高支払利息率が1%を超えても、何とかなります。売上×5%の営業利益から売上×1%の利息を支払い、その残りで元金を返済すればいいからです。

しかし全体でみると、営業利益率5%を毎期コンスタントにあげられる中小企業はそう多くありません。営業利益率は、小売業や卸売業で1%、製造業で2~3%といったところです。そこからさらに景気などの影響を受けるわけですから、売上の1%を超える金利負担は決して軽くありません。

このように売上高の1%を超える金利を払うと経営がぐらつく中小企業が多いわけですが、もし金利があがったらどうなるのでしょうか。

そう簡単に金利があがるとは思いませんが、ぬるま湯につかっていることは意識しておくべきでしょう。

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