戦略投資を検討していますか?
コロナ関連の緊急融資で資金を確保した会社は多いと思いますが、その資金の使いみちについては、どうお考えでしょうか?
いまのところ特に投資の予定はなく、経費の支払いに充てるだけという会社は、アフターコロナで売上高が100%回復することが経営の前提になっています。
なぜなら、“今までと変わらないこと”を選択しているからです。
できるだけお金を使わないで、経営を改善していく考えかもしれませんが、カネを使う予定がないなら、その改善は、ほぼほぼ「既定路線」でしょう?状況にもよりますが、売上高を10%や20%も伸ばすものではないはずです。
以前、ある業界に属する100社程度の財務内容を分析したところ
●リーマンショック後、すぐに人材投資や設備投資を再開した積極型の中小企業は、2014年の消費増税後も売上高を伸ばし続けている
●逆に設備投資を手控えた節約型の中小企業は、一時的に借金を減らすことに成功したが、2014年以降、売上高がジリ貧になり、再び借金を抱えている
という傾向が明らかになりました。
いまはまさにリーマンショックの時と同じ問題を解かないといけない状況にあります。
守り一辺倒の会社は生き残れません。
とはいえ、コロナ禍で攻めに転じるには相当な勇気が必要になるのも事実です。
<X社>
X社は、商圏を全国に拡大する、かなり具体的なアイデアを持っている会社ですが、そのアイデアを推し進めるには、社員を数名採用しなければなりません。
社長は「これだけ売上が下がっている中で採用に踏み切っていいか、悩んでいる」とのこと。
X社の財務内容はあまりよくないです。前年比50%の売上で、社員を採用するのには勇気がいるでしょう。
しかし、だからこそ、資金が底をつく前に投資を済ませてしまうべきとも言えます。(現在も様子見が続いていますが)。
<Y社>
Y社は、特定領域におけるオンリーワン企業なので、世界に向けた動画コンテンツの発信、非対面型の接客の仕組み作りなど、まだやれることはたくさんある会社です。
しかし、Y社の社員は腰が重く、スピード感が不足しています。
社長が、「よいアイデアには予算をとる」と社員に明言していないことも一因です。
利益や経費のことを言い過ぎると、社員がそれを言い訳にして新しいことをやらなくなるので要注意です。
<Z社>
社長にはこれといったアイデアがなく、コロナ前から新規ビジネスの課題を社員に丸投げにしていました。
社長が本気で情報収集していないので、社員に指示が出せません。
こうなると、不動産を売るか、不採算部門をリストラするくらいしか打つ手がなくなります。
なかなか難しいテーマではありますが、「経営者=リスクテイカー」が原則です。ピンチの時の戦略投資はどうあるべきか、ぜひ考えてみてください。