設備投資でリスケにならないためのポイント
投資活動を怠ると事業は衰退していきます。
チャンスがあるなら設備投資は積極的にいきたいものです。
最近はバブル期並みに融資が緩んでいますから、設備投資に必要になるおカネ(設備資金)も銀行が貸してくれます。
ただし、「設備投資が原因で銀行返済をリスケする会社が多い」という点にも注意する必要があります。
下記の図は、設備投資がリスケにつながるプロセスを示したものです。
設備資金を銀行から借りると、毎月の返済負担が増えます。
借入金の返済財源は「利益」です。
よって、設備投資後に業績が低迷し、借金返済に必要な利益をあげられないとリスケになってしまいます。
上の図から分かる通り、ポイントは「設備投資後のPLと借金のバランス」です。
中小企業では「投資ありき」になって、投資後のPL数値を検討していない場合が少なくありません。
それが間違いのもとです。
特に過剰な設備投資は会社の致命傷になるので、投資額が適切であるか、具体的な数字で検討すべきです。
設備投資が身の丈に合っているかどうかは「債務償還年数」で分かります。
債務償還年数(年)=(借入金ー現預金)÷(当期利益+減価償却費)
イメージでも構いませんから、設備投資後に予想されるPLの利益で債務償還年数を計算してみましょう。
債務償還年数が10年以内におさまるならOKです。
ここまで読んで、「そんなに面倒なら、借金せずに投資すればいいじゃん!」と思われた方は、次のパターンに注意してください。
(1)借入をせずに設備投資を行う
(2)半年後、資金繰りが悪化していることに気づく
(3)銀行に借入を申し込むがなかなか貸してくれない
手元資金から設備投資を行うと、それだけ資金繰りは悪くなります。
設備投資が終わった後に「貸してくれ」と言っても資金使途が不明確なので銀行は警戒します。
上記のような設備資金調達の判断ミスで、手形の不渡りを起したケースも知っています。
よって、よほど手元におカネが余っている場合を除き、設備資金は設備購入と同時に借りるべきです。