銀行には安易に「節税」という言葉を使わない
銀行員は、節税に熱心な社長をあまり良い社長とは考えません。
たとえば、社長が「本当は儲かっていたんだけど、税金を払いたくないから赤字にした」と決算説明を行えば、銀行員は渋い顔をします。
銀行員は、会社が儲かっているかどうかを決算書で見るしかないので「本当は儲かっている」と言われても対応できないのです。
特に嫌うのはキャッシュアウトがともなう節税話です。
たとえば、社長が「節税のために車を買った」と銀行に説明すれば社長としての資質を疑われることになります。
税金が減るといっても、必要ないものを買ったということであればそれはただの無駄使いです。
経営的には「節税のためにおカネを使った」という説明はあり得ないのです。
生命保険を活用した節税についても同様です。
法の盲点をつくような節税策であったとしても、そのようなことにエネルギーを使っている社長の印象(経営者としての印象)はあまりよくないです。
銀行には「節税のために~した」「利益が出たから~した」という話は理解されにくい。
だから、節税という言葉は安易に使わない方がいいのです。(実際には、税金について考えなければならない点はいろいろあります)
ただし、逆に銀行員が
「設備投資でもして、償却負担を増やして、節税されたらいかがですか?」
などと、節税をネタに営業してくることもあります。
この手の提案のほとんどは銀行の自分勝手なセールスです。
いろいろと調子のいいことを言ってきますが、設備投資に失敗すれば、銀行は逃げ出します。
そこを見抜いてください。